【工数削減】機材の電源を一括オンオフするための配線を考える【DTMer向け】



前回の記事では電源をオンオフする順番について書いたのですが、今回はさらにその次のステップとして「順番を守りつつ、なるべく一括で電源をオンオフする」というテーマについて書きます。

ざっくりまとめ

  • 順番を考えて機材の電源をひとつひとつオンオフするのはめんどくさい!
  • 面倒な手順を解決する方法は2つ
    • パワーディストリビューターの「SWITCHED」「UNSWITCHED」を活用する
    • スイッチ付き電源タップを使い分ける
結論:ちょっとした工夫で電源オンオフの手間は減らせる!


↓詳しくは以下の本編で書いていきます↓

電源を入れるのがめんどくさい

音楽制作するにあたってたまにしか使わない楽器とかアクセサリ的な電気機器は個別にオンオフすれば良いですが、日常的に使う機材に関してはなるべくセットアップの手間は減らしたいですよね。

うちの場合はほとんどの主要機材が本体背面に電源スイッチがあるので、ひとつひとつ電源入れるのが非常にめんどくさいです。。

以前はもっとこじんまりした機材(バスパワー給電のオーディオインターフェースやMIDI鍵盤、手軽なスピーカーくらい)で曲作りしていたのですが、だんだん機材も増えてきてひとつひとつ地道にオンオフとかめんどくさくてやってらんねーな!という感じになってきました。



特にサブウーファーなんかは足元に置いてるので、いちいちデスク下にもぐるなんて手間すぎる。。

あまりのめんどくささにこんなツイートをしたところ、いくつかのアドバイスが寄せられました。


なるほど~!パワーディストリビューターの中には自動的に時間差で電源オンにしてくれるタイプがあるんですね、これは知らなかった。ナイスなアイテム!

https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/178448/


と、思ったらなかなかいい値段するなぁ。。

ウチも同じAV-Pシリーズのパワーディストリビューターを使ってるので、とりあえず今持っているものでうまい運用方法を考えてみようと思います。

パワーディストリビューターへの配線を考えよう

ウチで使っているパワーディストリビューターTASCAM  AV-P25R MKIIは「SWITCHED」「UNSWITCHED」という2種類のコンセント差込口を備えています。

つまりパワーディストリビューター自体の電源オン・オフに連動する(SWITCHED)、または連動しない(UNSWITCHED)というのを分けることができるわけです。

(AV-Pシリーズ後継機AV-P25R MKIII, AV-P250などはフロントパネルにのみ「UNSWITCHED」が3口あります。)

これをうまく利用すれば最小限の手数で機材の電源オン・オフができそう!

「SWITCHED」「UNSWITCHED」を使い分けよう

さて、そんな感じで考えたのが下図の接続です。


パワーディストリビューターの「UNSWITCHED」にはメインマシンのiMacとオーディオインターフェースを接続。このふたつはパワーディストリビューターの電源オンオフには関係ないため、手動で本体電源を入切します。どちらも卓上の手が届く範囲にあるので手動でもそこまで苦はないです。

それ以外の周辺機器であるサブウーファー、モニタースピーカー、ヘッドホンアンプ、そしてついでにMIDI鍵盤を「SWITCHED」に接続しました。これによってパワーディストリビューターの電源をひとつオンにするだけで連動してこれら4つの電源もオンになる算段です。

電源を入切する順番も、オンオフめんどくさい問題もクリア



上図のでマークした部分は手動で入切して、でマークした部分はパワーディストリビューターの電源ボタンひとつで入切できます。

  1. メインマシン iMac (Retina 5K, 27-inch, 2017)
  2. オーディオインターフェース UAD - Apollo Twin DUO
  3. パワーディストリビューター TASCAM - AV-P25R MKII

電源を入れる順番は1→3、落とすときは3→1という少ない手数でオン・オフができるわけです。(ウチの場合は基本的にはiMacは常時電源オン(不使用時はスリープ)なので実質2手で済む)

パワーディストリビューターにはサブウーファー、モニタースピーカー、ヘッドホンアンプ、MIDI鍵盤が連動しているのでこれら4つの機材のスイッチを一括オンオフできるようになったわけです。

これによって「背面スイッチのオンオフめんどくさい問題」が一気に解消されました。楽ちん!

市販の電源タップでもほぼ同じことができます

「パワーディストリビューターとか持ってないし、高くて買えないんだけど!」という人にオススメなのがスイッチ付きの電源タップ。これは普通の家電量販店とかホームセンターでも売ってるので手に入れやすいし、値段も安いですね。

音楽機材の電源ケーブルは3Pコンセントが多いので、3Pに対応した電源タップを使うことをオススメします。

一括集中スイッチ付き電源タップ

いわゆるUNSWITCHEDのライン(スイッチなしタップ直結)とSWITCHEDのライン(一括集中スイッチ付きタップ)を分ければ、前項の僕のセットアップとほぼ同じことができます。


個別スイッチ付きの電源タップ

あるいは個別スイッチ付きの電源タップを手の届くところに置いておけば、自分でひとつずつ順番にスイッチを入れることもできます。



どのコンセントにどの機材が接続されているかテプラなどできちんとラベリングしておくとより分かりやすくて良さそうですね。




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パワーディストリビューターと市販電源タップの違いは?

ほぼ同じことできるなら市販の電源タップでいいじゃん、と思っちゃいますよね。いずれも電源を分配できるという点では基本的に同じですが、実はそこには決定的な違いがあります。

ついでなので本記事でその違いをざっくり解説しておきます。

音楽機器用のパワーディトリビューターの特徴は以下の通り。
  1. 主にラックマウント型が多い
  2. コンセント差し込み口数が多い
  3. 電源ノイズ除去するフィルターが搭載されており安全に運用できる
  4. 機種によってはシーケンス(時間差で電源オンオフする)など高機能
  5. 音楽機器用として堅牢な作りでプロの現場でも多く使用される
  6. 上記の理由から高額である

自宅でちょっとDTMするくらいなら電源タップでもアリだけど、本格的に取り組んでいる人や「そろそろ次のステップに行きたい!」という人にはパワーディトリビューターをオススメします。


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