RC-20ってなに?
XLN Audio「RC-20」はRetro Color Vintage Effectという題目の通り、サウンドにレトロでヴィンテージなテイストを付与するさまざまなエフェクトがひとつにまとめられた便利なプラグイン。ヴィンテージ・アナログ機器の持つ温かみをシミュレートしているクリエイティブなエフェクトで、どんなスタイルのレコーディングやミックスであってもRC-20をインサートするだけで一味違った良い雰囲気を醸し出すことができます。
昨今のLoFiブームにもピッタリですが、使いどころはそれだけにとどまらず、ITB(In The Box(インザボックス)、つまりアナログ機器を介さずPCのみで完結する音楽制作)で制作するDTMerにとって悩みの種である「音がキレイすぎてなにか物足りない」というかゆいところに手が届く的なエフェクトでもあります。
RC-20 Retro Color
6つのモジュールでヴィンテージ感をちょい足し
①NOISE(ノイズ)
このモジュールではレコードノイズからVHSノイズ、ハムノイズなどといった様々なノイズタイプを選択し、その強弱やトーンなどを調整できます。DAW純正のピアノ音源にノイズエフェクトをかけるだけでも「プチプチ...サー...」というノイズが加わりあっというまにLoFiテイストに。iZotopeの「Vinyl」やReflekt Audioの「OLE VINYL」ような感じ。
②WOBBLE(ワブル&フラッター)
このモジュールはレコードプレーヤーやテープマシンなどアナログ特有のムラをシミュレートしており、WOBBLE(ぐらつく、揺れる)、つまりピッチのゆらぎや不安定さを付与・調整できます。これによって音に絶妙な違和感・存在感が出て、アナログライクな雰囲気を演出してくれます。作用としてはWAVESのJ37などのようなテープマシンエミュレーターをイメージしてもらえれば良いと思います。
テープマシンエミュというとテープ特有の温かみあるサチュレーションに特化したもの(Softube - Tapeなど)もありますが、このモジュールはテープスピードやワウ、フラッターに特化しています。
iZotopeの「Vinyl」やWAVESの「J37」などのようなレコード・テープマシン系のエフェクト、Softube「Harmonics」やiZotope「Ozone Exciter」などのようなエキサイター・サチュレーター・ディストーション、さらにビットクラッシャーやリバーブと合体させて、全部盛りにしたような一石三鳥的なプラグインです。笑
ひとつひとつのモジュールはパラメーター次第でかなり強いかかり方をしますが、MAGNITUDEスライダーを低めに設定してマイルドに、うっすら変化をつけておくことで「もう一味ほしいな」というトラックに命が吹き込まれます。
テープマシンエミュというとテープ特有の温かみあるサチュレーションに特化したもの(Softube - Tapeなど)もありますが、このモジュールはテープスピードやワウ、フラッターに特化しています。
③DISTORT(ディストーション&サチュレーション)
このモジュールでは歪みをTUBEPAIR(真空管)やAIR(スピーカー)などさまざまなタイプから選択し、その強弱やMIX具合、作用する周波数をコントロールします。音を太くグッと前に出すようなほどよいサチュレーションから、積極的な音作りにも使用できる過激なファズまで幅広いサウンドを表現できます。④DIGITAL(ビットクラッシャー)
DISTORTはアナログ的な歪みだったのに対して、このモジュールはデジタル的な歪み、つまりサンプルレートとビットレートの質感を調整してローファイなサウンドを付与します。⑤SPACE(スペースリバーブ)
リバーブのテール(長さ)や、STEREO/MONO、作用する周波数などを調整できます。特別なリバーブではないのですが、他のエフェクトとセットになっていることで手軽に扱えるし、同じ空間で鳴っている感を増す上でもバストラックなどで他の歪みなどと併せてリバーブかけれるのは便利。⑥MAGNETIC(マグネティック)
WOBBLEがピッチの揺らぎだったのに対して、こちらはボリュームの揺らぎ。カセットテープやテープレコーダーでの録音や再生に生じる摩耗、ボリューム可変するようなゆらぎをシミュレートしています。★MAGNITUDE(マグニチュード)
6つのモジュールでON/OFFやパラメーター調整をしたあとはすべてのエフェクトのプロセスの量をこのスライダーで調整できます。いわゆるWET/DRYスライダーとして全体のかかり具合を一律でイジれるので、もちろんオートメーションでも簡単に可変できます。イントロやパートの途中で変化をつけるのにも最適です。プリセット豊富でサウンドの幅が広がる
プリセットも「Vinyl」や「VHS」などのレコードやビデオテープサウンドをはじめとしたローファイな質感を出す定番のプリセットから、楽器に合わせたサウンドプリセットまでさまざま。
CPU負荷は軽く動作は安定
複数のバストラックに挿しても、さらに複数のソロトラックに挿してもDAWがモタついたり落ちたりすることは一切ありませんでした。あくまで僕の作業環境での話になりますが、ご参考までに。
(iMac 5K, DAW: Logic Pro X, OS: Catalina, メモリ:40GB)
使ってみた所感:絶妙な揺らぎやノイズが付加されてナイス
LoFi系の曲を作るときにはもちろん大活躍するのですが、それだけでなく「音がキレイすぎて物足りないな」という場面で一味足すのにとても重宝します。どんなトラックでもとりあえずブッこんでみるとおもしろいです。iZotopeの「Vinyl」やWAVESの「J37」などのようなレコード・テープマシン系のエフェクト、Softube「Harmonics」やiZotope「Ozone Exciter」などのようなエキサイター・サチュレーター・ディストーション、さらにビットクラッシャーやリバーブと合体させて、全部盛りにしたような一石三鳥的なプラグインです。笑
ひとつひとつのモジュールはパラメーター次第でかなり強いかかり方をしますが、MAGNITUDEスライダーを低めに設定してマイルドに、うっすら変化をつけておくことで「もう一味ほしいな」というトラックに命が吹き込まれます。
まとめ
ひとつ持っておくと非常に便利なエフェクトプラグイン。値段もリーズナブルでオススメ。MONDO GROSSOの大沢伸一氏や、超売れっ子EDMプロデューサーDiplo、ワールドクラスの敏腕エンジニアGreg Wellsなどもレコメンドしているから余計に気になっちゃいますね。
XLN AUDIO - RC20|サウンドハウス
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