どうも、さくま(skmmtt)です。
音楽素材を利用するユーザー目線で言えば定額制プラン(サブスク)はコスパが高く利用価値のあるものだと思いますが、その一方で音楽クリエイター目線ではわりと賛否両論ある感じのツイートや記事をときどき見かけます。
今回は賛否あるオーディオストックの定額制プランについて、僕自身の考えを書いてみます。
まずはじめに、私はサブスク賛成派です。
というか、「サブスクに賛成せざるを得ない」という意見です。世の中がそうなるべくしてなっている、と思う。
以下にその理由と見解をざっくりまとめてみました。
理由①サブスク化の流れは止められない
他社ストックミュージック系のサービスをチェックすると分かる通り、EPIDEMIC SOUND、ARTLIST、POND5、SoundStripeなどにおいても既にサブスクプランは導入済み。
従来のオーディオストックユーザーがそちらへ流出してしまうこと、また新たなユーザーになるであろう層の人たちがそちらを選んでしまう将来的な損失を考えると、早めにサブスクプランに舵を切るのは当然の流れかな、と思います。
オーディオストックは日本最大級のストックミュージック系サービスで、日本語で安心して使えるという点で国内のユーザーを囲い込める圧倒的な利点だと思います。
囲い込みは必要と考える
ビジネスシーンや各種メディアなど従来のニーズに加えて、ここ数年で個人や企業、タレントなどがYouTubeチャンネルを持つことが当たり前になり、動画クリエイターがどんどん増えていることから、さらに新たなニーズが生まれそうな予感。
が、しかしYouTubeで人気の動画クリエイターがEPIDEMIC SOUNDなどの海外サービスを「オシャレなBGMがリーズナブルに使えますよ〜」とオススメしているのを何度も見かけたことがあります。
こういった特定ジャンルのフォロワーを持つインフルエンサーの影響力はとても強いので、その視聴者さんや周辺クラスタの人たちがオーディオストックではなく他社サービスに流れてしまわないように、定額制プランのように魅力的な選択肢を提示して誘導(囲い込み)する方が良さそう。
が、しかしYouTubeで人気の動画クリエイターがEPIDEMIC SOUNDなどの海外サービスを「オシャレなBGMがリーズナブルに使えますよ〜」とオススメしているのを何度も見かけたことがあります。
こういった特定ジャンルのフォロワーを持つインフルエンサーの影響力はとても強いので、その視聴者さんや周辺クラスタの人たちがオーディオストックではなく他社サービスに流れてしまわないように、定額制プランのように魅力的な選択肢を提示して誘導(囲い込み)する方が良さそう。
ストリーミングはとっくにサブスク化してる
音楽業界、リスニング用途としてはすでにSpotifyやAppleMusicなどのストリーミングサービスがサブスク化になってます。この流れが出来たときも当初多くのレコード会社やミュージシャンたちが懐疑的な姿勢でしたよね。- CDが売れなくなってしまうのは困る
- 長年磨いてきた歌唱・演奏技術が買い叩かれている
- 高額なレコーディング・エンジニアリング費用などが回収できない
でも現在では今まで頑なにストリーミング配信しなかった大物アーティストや事務所も続々と解禁しています。(ストックミュージックよりも圧倒的に予算かかっているはずなのに!)いろんな理由があるとは思いますが、「サブスク解禁が最適解である」という結論に至ったのだと思います。
ストリーミングにしろ、ストックミュージックにしろ、これまで他の業界・産業においても起きてきた改革が、いま音楽業界でも起きているという認識。
理由②より利便性の高いクラウドベースでの管理
サブスク化の流れを止められない理由の一つとしても言えるのですが、世の中のデータはほぼクラウドベースでの管理になっています。
ひと昔前は著作権フリーのサウンドライブラのCDとかHDDみたいなものを購入したり、必要に応じて単曲でスポット購入して現場で利用されていたケースが多いと思いますが、選曲やMAなどたくさんのBGMを扱うプロの現場では管理コストもバカにならないはずです。
それが今ではオンラインでどこからでもアクセスできて、キーワード検索でカンタンに絞り込み可能、気になったBGMはお気に入り曲にチェックしておくことができ、さらにサブスクで使い放題になったことによって低コストでより自由に扱えるようになってきています。
他サービスでこのような改革がおきている中で、果たして「サブスクなんて新しいシステムはダメだ!音楽家には合わない!」と言っていられるでしょうか?
ちなみにAudiostock利用事例紹介ではさまざまな音のプロへのインタビューを見ることができ、現場ではそうやって使われているのか!という発見があります。
理由③Audiostockと音楽クリエイターの利害は一致している
Audiostockは登録されている楽曲が売れたときの50~60%程度の利益をマージンとして取得しています。これは曲が売れて音楽クリエイターが儲かるほどオーディオストック運営側も儲かる、ということです。つまりAudiostockと音楽クリエイターの利害は一致しています。創業以来12年間、クレオフーガは音楽クリエイターを想い、大切にしてきました。残念ながら現在、良い音楽を作る人が必ずしも日の目を見ることができるとは限りません。私たちは、良い音楽がしっかりと求める人に届き、作り手にしっかりと利益が還元され、また新たな音楽が生まれる循環を作れるよう取り組んでおります。公式サイトにあるこの文言のとおり、Audiostockはクリエイターのことを考えて様々な施策をしてくれていると僕は思っているので、サブスク化もまたそのうちのひとつだと思います。
Audiostockとは | Audiostock(オーディオストック)
理由④将来的にAI自動作曲が参入してくる
過去にもAIや自動作曲などについてブログで書いたことがありましたが、そう遠くない将来にかなりハイレベルな自動作曲プログラムが登場すると確信しています。
今までのところは「いかにも自動作曲」的な実用性が低いものが多かったですが、ここに来て一気にハイレベルなサービスが登場しました。
Evoke Music
このイヴォークミュージックというサービスはかなり革新的。アレンジも機械的でなく的を得ていて、生楽器の音もかなり流暢。全自動AIじゃなくて人力の部分が多いのでは?と思うようなクオリティーです。
なおかつライセンスや料金面でも最高のビジネスプランで月額5000円とかなりリーズナブル。こういうもののレベルが上がるにつれて、ちょっとした映像などで使用される音楽はほとんど賄えるようになっていくんじゃないかと思います。
そうなった場合、悲しいですがコストパフォーマンス的にクリエイターが作ったストックミュージックより、AIが無限に作る曲の方を選ぶ人が増えてくる可能性もあります。。
クリエイターはこれまで以上にクオリティーの高い、独自性のある楽曲を作ることが求められることになりますね。
自動作曲ではできなそうなジャンルを作った方が売れやすくなるのかな?とは思いますが、バンドサウンドや生楽器サウンドもかなり流暢に出してきたのには正直かなり驚いたし、AIの伸び代がありすぎて意味不明。
今までのところは「いかにも自動作曲」的な実用性が低いものが多かったですが、ここに来て一気にハイレベルなサービスが登場しました。
Evoke Music
このイヴォークミュージックというサービスはかなり革新的。アレンジも機械的でなく的を得ていて、生楽器の音もかなり流暢。全自動AIじゃなくて人力の部分が多いのでは?と思うようなクオリティーです。
なおかつライセンスや料金面でも最高のビジネスプランで月額5000円とかなりリーズナブル。こういうもののレベルが上がるにつれて、ちょっとした映像などで使用される音楽はほとんど賄えるようになっていくんじゃないかと思います。
そうなった場合、悲しいですがコストパフォーマンス的にクリエイターが作ったストックミュージックより、AIが無限に作る曲の方を選ぶ人が増えてくる可能性もあります。。
クリエイターはこれまで以上にクオリティーの高い、独自性のある楽曲を作ることが求められることになりますね。
自動作曲ではできなそうなジャンルを作った方が売れやすくなるのかな?とは思いますが、バンドサウンドや生楽器サウンドもかなり流暢に出してきたのには正直かなり驚いたし、AIの伸び代がありすぎて意味不明。
ちょっと脱線しましたが、理由①とほぼ同じでAI自動作曲も競合となるため、定額制プランのようなユーザーにとって魅力的なプランは必須だと考えます。
冒頭でも書いたとおり個人的には賛成のスタンスで、まずは乗っかっておくのが得策だと考えています。
実際の売上額はどれくらい?
参考までに僕自身の定額制プランの売り上げデータを公開しておきます。
これまでの定額制プラン報酬は3月分¥4,295、4月分¥7,023、5月分¥8,219といった感じで徐々に増加傾向。ここに4月から始まった個人プラン99円キャンペーンが終わったあとの正規価格で乗ってくるとけっこういい感じになるのでは?というイメージ。
ダウンロードされた曲数は2〜30曲以上なのでもし単品購入だったら売上額は何倍にもなっていたと思いますが、そのかわり普段はちょっと売れにくい楽曲も利用されていました。
ということは、今まであまり日の目を見なかった楽曲も利用される機会が増えて、そこからも利益が取れるということになります。「今まであまり曲が売れなかったけど、定額制プランが始まってから利用されるようになった!」というクリエイターさんもいるのではないでしょうか?
これまでの定額制プラン報酬は3月分¥4,295、4月分¥7,023、5月分¥8,219といった感じで徐々に増加傾向。ここに4月から始まった個人プラン99円キャンペーンが終わったあとの正規価格で乗ってくるとけっこういい感じになるのでは?というイメージ。
ダウンロードされた曲数は2〜30曲以上なのでもし単品購入だったら売上額は何倍にもなっていたと思いますが、そのかわり普段はちょっと売れにくい楽曲も利用されていました。
ということは、今まであまり日の目を見なかった楽曲も利用される機会が増えて、そこからも利益が取れるということになります。「今まであまり曲が売れなかったけど、定額制プランが始まってから利用されるようになった!」というクリエイターさんもいるのではないでしょうか?
追記(2020/8/12)
その後も右肩上がりです。
売り上げは3万超、利用曲数はおよそ150曲。良い感じ。
先月と比較するとおよそ3倍になりました👏ありがてえ...!! pic.twitter.com/5Ggi47K0T5
— さくま氏 #音テロリスト (@skmmtt) August 10, 2020
結論、長い目で見ようぜ
今のところ僕が分かってるのはこれだけです。
- どっちにしても競合サービスに負けない施策が必要
- Audiostockはクリエイターに損を強いるようなサービスではない
- 定額制プラン売り上げは上昇傾向にある
参照
あえて定額プランをやめたクリエイターさん(マネージャーさん?)の意見もとても貴重で参考になるので、要チェック。参照リンク:サブスク時代の作曲家生存戦略! Audiostock収益6か月分を大公開
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