上手かろうが下手だろうが、気持ちで負けたらダメ。ベストを尽くして堂々としているのがプロ精神、という話。
「頼りない人」と「自信に溢れてる人」どっちが選ばれるか?
たとえば、ここに音楽センスやスキルが拮抗してるクリエイターのAさんとBさんがいたとします。ふたりともいずれは音楽で生計を立てたいと考えているとします。Aさん「作曲勉強中のAです。まだまだ未熟なんですけど、お仕事ください。」
Bさん「サウンドクリエイターのBです。こちらで作品試聴できます。お問い合わせはこちらからどうぞ。」
どっちを選ぶ?
もし音楽を発注する人がこのふたりを見たらどっちに声を掛けるでしょうか?これ、後者のBさんに依頼が来る可能性がかなり高いと思います。
もしお金を払って仕事を頼むなら誰だって当然頼れそうな人にお願いしたいですよね。
もしあなたが車屋さんに修理の見積もり出しに行ったとして
A社「まだまだ未熟で勉強中なんですけど、修理のお仕事くれませんか?」
B社「こういう技術があるので万全に修理できます。いつでもお気軽にお問い合わせください!」
こんな感じだったらやっぱりB社に頼みたいですよね。最初に例に挙げたAさんとBさんも客観的に見たらそれくらいの差があります。
なぜ頼りなさげなのがダメなのか?
ズバリ言うと、多くの人は「謙虚っぽく見えるけどなんだか曖昧な態度の人」よりも「ビシッと自信を持って言い切っている人」のほうを信用しやすいので、頼りなさげな雰囲気を出してると損します。Aさんのように「勉強中」とか「未熟」という言葉を使うのは一見謙虚そうに見えるけど、これは自信のなさの現れでもあります。
自分を青二才と思って鍛錬する心意気はもちろん大事だけど、なにもみんなが最初に見るであろうプロフィールに書くことはないですよね。まだ未熟で勉強中なのか、どの程度のクオリティーなのかっていうのは曲を聴けばそれなりに分かるし、自ら余計なことを言う必要はないと思うんですよ。
自信のないところに保険かけるために自ら先回りして『もしかしたら「ちょっとイマイチかなー」なんて思うかもですけど、言うても自分まだ勉強中なんで!』って言ってるみたいに取られてもおかしくない。
それよりは「僕はサウンドクリエイターです!」と言い切ったほうがいい。仮に心の中では「自分はまだまだ勉強中の身だ」と思っていたとしても、自信持って「これが俺じゃい!なんぼのもんじゃい!」と言い切るのはとても大事。
そういや「人間、相手にナメられたら終わり」ってウチの親父も言ってたな。
自信をつけるにはどうすればいいか?
とはいってもあんまり虚勢を張りまくるのも虚しいので、じゃあ具体的にどうすれば自然に自信ありげでいられるかを考えてみました。とにかく手数を増やす
僕はツイッターとか見てると自分より圧倒的に才能ある人とかめちゃくちゃいっぱいタイムラインに流れてきて、毎回「うわ、マジかよこれでアマチュアなの?もう無理だわやめよ」って1日に100回くらいなります。でも普通に考えて世の中には自分より優れた人なんてごまんいます。世界中の音楽人口なんて何億人単位でいるわけです。そのたびに落ち込んだり挫折してるヒマあったらどんどん手を動かした方が建設的。
サウンドクリエイターならどんどん曲作って、どんどん人に聴いてもらえるように世に出していくのが当たり前。ほんの数曲しか作らないで「ぜんぜん上達しない」「みんな聴いてくれない」なんて、そりゃ当たり前です。数百曲、数千曲作ってればちょっとはマシになるし、数が多いぶん人目に触れるから聴いてくれる人も絶対増えます。
手数を増やすのはもっともシンプルで、もっとも効果的な結果を出す方法です。結果を出せば自然と自信はついてきます。
場数を踏んで経験を積む
たくさんの場数を踏めばそれは経験に裏打ちされたブレない自信につながります。経験によって蓄積された知見から、どんな仕事でも自分のやり方で臨機応変に対応できるようになり、「自分ならなんとかできる」という自信を持てます。
有償でも無償でもいいので、まずは依頼を受けて人のために作ることの数をこなしていきましょう。最初は友達とか知り合いとかの手伝いでもいいし、クラウドソーシングとかコンペとかだっていいと思います。
満を持して「私はこういう者です!」と名乗ってなんでも自分から飛び込んで行って、どんどん依頼を受けて経験を積んで、成功体験を重ねていくことは確実に自信につながります。
実績を作る
実績はマジで大事。もう一度言います。実績はマジで大事です。
誰もが知ってるような仕事に携わってたら、その名前で反応がぜんぜん変わることもあります。いきなりネームバリューのある仕事なんてそれなりのコネがないと難しいんですけど、もし使えるコネがあるならゴリゴリに使ったほうが良いです。まちがいなくめちゃくちゃ活動がブーストされます。
あとはコンテストとか大会みたいなもので優勝したり、優秀な成績を収めたりしているのもすごくナイスだと思います。
実績や肩書は信用に繋がりやすいので、わかりやすいトロフィーやステータスがあるとすごく有利。メディアの露出や注目度が高い実績があるほど有利でそういう人のところにどんどん人や仕事は集まる。そのときには否が応でも自信はついてるでしょう。
おわりに
僕自身もかつて自信がないのがついつい口に出てしまってたタイプでした。はじめて友達のバンドのレコーディングとミックスを担当したときのこと。ミックスダウンしたデータを送るときに「この完成データがいま俺ができる限界です」的なことを言ったんだけど、そしたら友達に「『限界です』なんて弱気な一言は言わなくていいから、満を持して『最高のものができた!』と堂々とするべき!」という旨のことを言われてハッとしたんです。
自分自身では「ベストを尽くした」という意味だったつもりだけど、「これ以上はもう無理やで」という雰囲気も丸出しになってしまった。そりゃ受け取った方は気持ち良くないですよね。そのときの僕はそんな事もわからなかった。
それ以来ムダな謙遜や弱気な発言はやめました。あれは金言だったな。本当にありがたい。
こうやって高め合う仲間や友だちがいる、というのも自信につながる大事な要素かもしれませんね。
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