『内向型を強みにする』(マーティ・O・レイニー著、務台夏子訳)という本。
どうも、さくま(skmmtt)です。
なんとなくこの本のタイトルが引っかかって読んでみたんだけど、これがすごく自分にハマっててどんどん読み切ってしまいました。
なんでこの本を読んだのか?
書店で手に取ったのではなく、AmazonのKindleストアで見つけてダウンロードしたので全然気付かなかったけど帯のところに「引っ込み思案・考えすぎで悩んでいませんか?」とか「おとなしい人が活躍するためのガイド」って書いてあったんですね。ぼくは引っ込み思案でもないし考えすぎて悩むこともあんまりないのでちょっと当てはまらないかな、と思ったんです。
けどパソコンで音楽作ったりとか黙々と文書を書いたりするのはなんとなく内向型っぽいな、って感じがして。
この本を読んだら自分のことを深く知れるかもしれない、と思いじっくり読んでみることにしました。
『内向型』『外向型』ってなに?
この本の著者はマーティ・O・レイニーという心理療法士で、彼女が今までカウンセリングしてきたクライアントや自分自身、また誰でも知っているような著名人を心理学的な見地から分析して、『外向型』と『内向型』のふたつの性質に分類しています。内向型と外向型の主なちがいは、そのバッテリーの充電方法にある。
外向型は外の世界からエネルギーを得る。彼らのほとんどは、人と話したり、外のさまざまな活動に参加したり、人や活動や物に囲まれて働くことを好む。
これに対して内向型の人は、なかの世界から、つまり、アイデアや感情やイメージからエネルギーを得る。
内向型には、物事をじっくり考え、自分を充電するための静かな場所が必要だ。
外向型の人は「人と会うことや、イベント、アクティビティに参加したりすること」など、外からの刺激でエネルギーを得るタイプ。
対して、内向型の人は「自分の中の感情やアイデア、イメージ」など内からの刺激でエネルギーを得ていて、外からの刺激を受けすぎると逆に体力を消耗してしまうタイプ。ただ人のそばにいるだけで刺激過剰となることがある。
あなたはどっちに当てはまるでしょうか?
ちなみに本にはこんな風にも書いてあります。
パーティーのあと、早くつぎへ行きたがり「このあとどうする?」と切り出すのは外向型の人だろう。多くの場合、彼らにとってむずかしいのはリラックスして体を休めることなのである。
「久々にみんなに会えてすごく楽しかったけど、パーティーが終わってくれてよかった!」とホッとしてそう思うのは内向型の人々。
あー、ぼくは内向型です完全に。笑
内向型の特徴とは
- 人と会うのは好きだけど、大人数のパーティーや飲み会が苦手
- 最高に楽しいときですら、帰って寝たくなることがある
- 急かされるのが嫌いで、周りからはマイペースと言われがち
- 人の邪魔をするのも、邪魔されるのも嫌い
- 話すより聞くタイプだけど、好きなことは熱く語ってしまう
- なにごとも狭く深く
- 創造的で想像力に富んでいる
- きちんとしたかたちになるまで自分の作品やアイデアは他人に披露できない
- 大勢で過ごすよりも少人数でいる方が好ましい
- 人、物、光や匂い、音などの外部からの刺激に敏感
当てはまりすぎてて笑える。。
他にもたくさんの診断項目がたくさんあって読んでいてまるで自分のことを書いているような気がしたり、あるいは「あの人は内向型なのかも!」と身の回りの誰かのことがパッとイメージできたりして気付きが多いです。
内向型と外向型は医学的にも脳科学的にも違いがある
内向型の人の血液は、記憶する、問題を解決する、計画を立てる、といった内的経験にかかわる脳の各部へと流れていた。この経路は長く複雑だ。内向型の人は、内部の思考や感情に精力を注いでいたのである。
外向型の人の血液は、視覚、聴覚、触覚、味覚(嗅覚はのぞく)が処理される脳の各部へ流れていた。彼らの主要な経路は短く、さほど複雑ではなかった。
外向型の人は、自分の外で起こっていることに注意を向けていた。
この研究は 、内向型 /外向型という気質の謎を解く鍵となるコンセプトを裏付けた。
本で読むとこのチャプターはちょっと小難しい話なんだけど、要するに内向型と外向型では脳や神経の作りも違う発達の仕方をしている、ということらしい。
なるほど、気の持ちようだけじゃなくて医学的にも違いがあるんですね。
世の中は外向型の人間中心にできている
統計上、外向型3人に対し内向型1人(3:1)の割合で分布していて、世の中の75%の人は外向型の傾向だとしています。その上で著者は内向型の人のことを陸に打ち上げられた魚とも呼んでいます。笑
外向型の方が大多数で内向型は少数派なので、どうしても世間的には外向型タイプが一般的。内向型タイプの人にはちょっと肩身がせまい思いをする場面でもガマンしないといけないことも。
外向型タイプの人に囲まれたパーティーなどは内向型の人にとって、まさに自分が陸に打ち上げられた魚のように感じます。笑
周りの外向型タイプの人からは「マイペースだな」「ほんとに楽しんでるのかな?」なんて思われることもあるかも知れませんが、周りの視線とは裏腹に本人はそれなりに楽しんではいます。(ただ、基本的には帰りたいと思っています。笑)
そんな内向型タイプの人は自分のフィールドである水中に戻ったときにこそ内面型の能力が発揮します。ぼくの場合は自分だけの空間で想像力を膨らませたり、ひとりで黙々となにかを作っているときなどがその瞬間かな、と思います。
クリエイターにも内向型の人は多いと思いますが、個人的にはテレビを見ててときどき思うのが芸人さんでネタ作りをする人は内向型っぽい人が多い気がしますね。
バカリズムさんとか、かなり内向型っぽいです。
あとサンドウィッチマンの冨澤さんなんかも。見た目プロレスラーなのに。
(個人的な印象なので悪しからず。。)
思い当たることがけっこう多い
今まで生きてきて、どっちの面も経験してきたつもりの自分。平日は朝から夕方まで仕事したあと寝る間も惜しんでスタジオに入ったり、ライブであちこち遠征したり、打ち上げ、飲み会、パーティー。。週末も休まず出掛けたり、人と会ったり、睡眠時間を削ってとにかく予定でびっしりの生活を長いこと続けていた時期もありました。つかれた。。
これだけ聞くと外向型っぽい。
今は仕事して、音楽作って、のんびり映画見たり、料理したり、予定はあまり多くは入れないで過ごすのがしっくりきてます。そもそも昔から黙々と曲作ったり、作業してるのが好きなんですよね。
ここらへんは内向型っぽい。
あと、バンドやってたときのことをすごく思い出しました。
バンドマンは超高確率で外向型、体育会系の世界なので。陸に打ち上げられた魚って言葉がしっくりくるときも多々ありました。笑
初めて会う知らない人たちと大勢で打ち上げやったり、パンチあって面白おかしくないと存在感なくなったり、それはそれで楽しいけどけっこうしんどかったなぁ。
あと強い光とか音、匂いなんかの刺激で片頭痛を起こすこともよくあるんだけど、ライブハウスやクラブとか飲み屋はタバコの煙モクモクでまさにそういう場所なんで、当時は原因がよくわからなかったけどライブに出演した日はよく体調崩してたのを思い出しました。笑
なんだかんだ一周回って、今では自宅で黙々と自分の世界に深く潜り込んで、曲を書いたりブログ書いたりするのがいちばん楽しいです。
逆に「パソコンで曲作ったりとか、ブログ書くのとかまじダルいわ無理」って人ももちろんいると思うし、それはやっぱ気質に合ってるかどうかって話だと思います。
おわりに
自分が内・外向型のどちらのタイプかを診断できたり、内向型タイプについて心理学や医学的な見地から細かく分析されていたりと、とても充実した内容です。なかでもいちばん良いところは『気質のタイプが違うだけで、良いも悪いもないのだ』ということをしっかり説明してくれているところ。
「こんな風に感じてるのは自分だけじゃないのか」「無理して外向型タイプに合わせようとしなくてもいいんだよな」と、気持ちがちょっと軽くなります。
自分を見つめ直して、新たな気付きをもたらしてくれるオススメの良書です。
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