オリジナルの著作物だけでなく二次創作物というスタイルの作品もネット文化では特にさかんですが、著作権など権利的な問題がなかなかむずかしいところ。。
今回はそんな二次創作がもっと社会的に認められていいのでは?というお話。
そうです、私がSoundCloudでアカウントを凍結されちゃった男です
Soundcloudでアカウントを凍結されちゃった話2年前はビルボード系アーティストの曲を勝手にリミックスするのにハマっててSoundCloudにリミックスを何曲もアップロードしていました。
これが意外と好評で、ふだんは僕の音楽活動についてあまり興味を持たない層の人たちからも「あのリミックスいいね!」とか「もっと聴きたい!」 なんて声をかけてもらえたりしてけっこう楽しかったんですよね。
その調子で今年1月にジャスティン・ビーバーの「What Do You Mean?」という曲をリミックスしてアップロードしたら、ジャスティンの契約しているユニバーサルレコードから警告がきたのち「残念だけど規約違反だから凍結するよ」とサウンドクラウドからメッセージが来てページを消されてしまいました。
決して金銭を得たり利益のためにやっていたわけではなく、音遊びとしてリミックスを作って純粋に音楽を楽しんでいたつもりだったのでショックではありました。
音楽をやっている人間として、著作権の問題や規約違反については本当に軽率で反省すべきだったと思っています。
ただ個人的には、これからの時代はどんどんリミックスやサンプリングなどの2次創作も許容していったほうがいいと思います。凍結された負け惜しみもあります。笑
世の中に一石を投じたピコ太郎
ピコ太郎のPPAP(ペンパイナッポーアッポーペン)をガチガチのメタル/DjentにリミックスしてみたジャスティンにSoundCloudのアカウントを凍結されて以来リミックスはやってなかったんですが、ピコ太郎ブームに便乗してひさびさにリミックスしてみました。
こういう流行りの乗っかり方ってちょっと邪道かなぁと思いつつひさびさのリミックスすごい楽しかったです。笑
世界的に話題になったネタなだけにけっこう反響があったのでやってよかった。
こういうリミックスは作る側の人も楽しいし、聴いてくれる人も楽しんでくれて、なおかつ普段なら聴かないような曲も「あの人がリミックスしてるから聴いてみよう」とか「あちこちでリミックスされて話題になってるから聴いてみたい」なんて具合に新しい層にもアプローチできて、結果的に大元のアーティストの曲の知名度がさらに上がったりするし良いことづくめじゃないですか。
去年に大流行したこのピコ太郎のPPAPは世界中の人々がカバーやリミックスやパロディをYouTubeなどで公開したことで爆発的に知名度が広まったのも非常に大きな要因で、二次創作のメリットをまさに証明してるよね。
非公式の作品(リミックスなどの二次創作)の投稿は禁止するより、どんどんOKにしていったほうが相互的にメリットがあるケースもあると思います。
世界は少しずつ二次創作を歓迎する方向に向かっているかも
YouTubeでは「コンテンツID」という投稿を管理するシステムを利用することで、オリジナル作品の著作者は非公式の投稿に対して「ブロック(公開停止)」するだけじゃなくて、「マネタイズ(広告収入をオリジナル著作者に帰属させる)」という選択ができるんです。ようするに再生の前に流れる広告の収入はオリジナルの著作権者に入るってこと。
これならブロックするよりリミックスを推奨したほうが、オリジナルの作者にもプラスになりますよね。
ピコ太郎さんのPPAPでは、エイベックスがマネタイズを選択している。非公式とコラボレーションを認めたものを合わせた関連動画は7万件以上あり、再生回数は公式の6倍以上の5億回に達している。
これらの広告フィーも、エイベックスとピコ太郎さんの収入となっているのだ。
参照リンク:
ピコ太郎 関連動画で潤う :日本経済新聞
これ、すごいよね。レコード会社やアーティストなどにとってもリミックスを肯定するほうがメリットが大きいので、一方的に禁止するのは得策じゃなさそうだぞ!というのが知れ渡ったのではないでしょうか。
また、定額聞き放題サービスのApple MusicやSpotifyは非公式のリミックスも配信可能にして、さらにオリジナルの著作者だけじゃなく、リミックスの作者にも収益が分配される仕組みづくりに注力しているとの話もあります。これは音楽クリエイターは期待せずにいられませんね。
参照リンク:
Spotify、Apple Musicで非公式Remix配信が可能に | block.fm
いつも巨大企業に買収されそうになってるSoundCloudが今回はあのGoogle様に買収されるのでは?というニュースも出てますね。もしこれが事実となればYouTubeのようにリミックスなどの二次創作に選択肢を持たせ、なおかつうまくマネタイズ出来るような仕組みを提供してくれるかも?なんてちょっとワクワク。
おわりに
やっぱりリミックスをもっと堂々とやりたい!という気持ちと僕のSoundCloudアカウントが凍結されたのは時代がまだ追いついてなかったからだ!と思いたい気持ちでこの記事を書いたわけですが(笑)個人の作るリミックスやサンプリング、マッシュアップみたいな二次創作物がもっと作品として認められるようになってほしい!というのは何年も前から強く思っていたことなので、少しずつそういう風潮になってきているのを感じて本当にワクワク楽しみにしています。
2017年はこのような個人の二次創作物が規制されるのでなく推奨される世の中にもっと近づいていってほしいなーと思いつつ。
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